日本に家を残して亡くなった父—外国人家族の相続で起きたこと
- 千代田国際行政書士事務所
- 6月16日
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更新日:6月17日

「…父が亡くなって、東京の家がそのままになっているんです。」
静かな声で話し始めたのは、海外在住のSさん。お父様は日本で長年働き、定年後も一人で東京に住み続けていたそうです。亡くなったという連絡を受けてから、日本の行政手続きや不動産のことが気になり始めたとのこと。
「名義変更って必要なんですか?家族だから、何もしなくても大丈夫ですよね…?」その質問に、私は丁寧にこう返しました。
🔸「家族だから自然に相続される」は、日本では通じません。
日本では、たとえ相続人であっても、正式な「登記」や「遺産分割協議書」がなければ、不動産の名義を変更することはできません。
そして、この手続きは相続人全員の同意書類、印鑑証明書、戸籍の取得と翻訳など、複数のステップが必要になります。
外国人家族の相続の場合、さらに難しいのが:
出生から死亡までの日本語の戸籍をどう集めるか
海外で取得した戸籍・家族関係証明書をどう翻訳し、使うのか
在外相続人としての本人確認をどう行うか
🔸「相続放棄」や「売却」も選択肢だが、判断のための制度整理が先
Sさんのようなケースでは、「家を売るべきか」「名義変更だけしておくか」と悩まれる方が多いです。でもその前に、
誰が相続人か(戸籍上の確認)
不動産の評価額と管理費用
税金や登記コスト
などを把握しておくことが大切です。
💡まとめ:外国人家族の相続だからこそ、最初に「制度の地図」を持つことが大切です。
ご自身で調べようとしても、日本語や制度の壁にぶつかってしまうことも多いのが相続の現場です。私たちは、外国籍のご家族が日本の相続に向き合うとき、まず「どんな選択肢があるのか」「何を準備すればいいのか」を丁寧にご案内しています。
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