高度専門職2号と永住は同じ?J-Skip・70点80点優遇との違いを整理
- 千代田国際行政書士事務所
- 3月27日
- 読了時間: 7分
更新日:7月2日

高度人材に関する制度を調べていると、「高度専門職」「J-Skip」「70点」「80点」「永住優遇」という言葉が同じ文脈で登場します。名称が似ているため、ひとつの制度のように見えてしまいがちです。
結論からいうと、高度専門職1号・2号は在留資格の話、70点・80点による優遇は永住申請に関する話、J-Skipは特別高度人材制度として在留資格と永住優遇の両方に関係する制度です。
在留資格の話なのか、永住申請の話なのかを分けて見ることが、制度を理解する最初の一歩です。
※本記事は、高度専門職1号・2号・J-Skip・永住優遇の違いを整理するためのものです。個別の要件判断や申請可否は、現在の在留資格・活動内容・年収・学歴・職歴・在留状況等によって異なります。実際の検討にあたっては、個別事情に応じた確認が必要です。
まず、この記事が参考になるケース
次のような疑問がある場合は、この記事の内容が参考になります。
高度専門職2号と永住の違いがわからない
J-Skipと高度専門職の関係がわからない
70点・80点あればすぐ永住できるのか知りたい
高度専門職1号から2号に進むべきか、永住を検討すべきか迷っている
J-Skipは単なる永住優遇制度なのか知りたい
高度人材ポイント制を調べたが、制度の位置づけが混乱している
目次
1. 制度の全体像:4つを一度に整理する
まず、4つの制度の位置づけをひとつの表で確認します。
制度 | 位置づけ | 在留資格との関係 | 永住との関係 |
高度専門職1号 | 高度人材向けの在留資格 | 在留資格そのもの | 直接関係しない |
高度専門職2号 | 高度専門職1号の先にある在留資格 | 在留資格そのもの(在留期間は無期限) | 永住とは別制度 |
70点・80点による永住優遇 | 永住許可申請に関する優遇措置 | 直接関係しない | 申請に必要な在留期間の短縮に関係 |
J-Skip(特別高度人材制度) | 通常のポイント制とは別の枠組み | 高度専門職の在留資格に関係 | 永住優遇にも関係 |
この表が示すように、高度専門職1号・2号は在留資格の話、70点・80点による優遇は永住申請の話、J-Skipはその両方に関係する制度です。それぞれを分けて見ることが、混同を避けるポイントになります。
2. 高度専門職1号とは
定義と特徴
高度専門職1号は、高度人材ポイント制に基づく在留資格です。出入国在留管理庁の在留資格一覧では、活動内容に応じてイ(高度学術研究活動)・ロ(高度専門・技術活動)・ハ(高度経営・管理活動)に分かれています。
高度外国人材として認定されるためには、ポイント合計が70点以上であることが基本です。ただし、ポイントは学歴・職歴・年収・年齢・研究実績など複数の要素から算出されるため、70点以上という数字だけで判断できるものではありません。特に高度専門職1号ロ・ハでは、年収に関する基準にも注意が必要です。
注意点
活動類型によっては年収に関する基準も関係します。また、70点以上を満たしていても、活動内容・職務・日本で行う活動など、複数の要素を合わせて確認する必要があります。
3. 高度専門職2号とは|永住とは別の在留資格
定義と特徴
高度専門職2号は、高度専門職1号の先に位置づけられる在留資格です。移行にあたっては、活動内容や在留期間などの要件を個別に確認する必要があります。
永住との違い
在留期間が無期限である点が永住と似ているため、混同されやすい制度です。しかし、制度上は永住者ではなく、あくまで「高度専門職」という在留資格です。
項目 | 高度専門職2号 | 永住者 |
制度上の位置づけ | 高度専門職という在留資格 | 永住許可による在留資格 |
在留期間 | 無期限 | 無期限 |
活動との関係 | 高度専門職としての枠組みがある | 原則として活動制限がない |
注意点
高度専門職2号は永住に似た面を持ちますが、永住そのものではありません。高度専門職1号を取得したからといって、自動的に2号や永住へ進めるわけでもなく、在留状況・活動内容・ポイントなどの確認が別途必要です。
4. 70点・80点による永住優遇とは
定義と特徴
70点・80点による優遇は、永住許可申請に必要な在留期間に関する優遇措置です。高度専門職2号の説明ではありません。
ポイント | 永住許可申請に関する在留期間の優遇 |
70点以上 | 3年 |
80点以上 | 1年 |
出入国在留管理庁の永住許可申請ページでも、80点以上・70点以上の高度人材について、通常とは異なる提出書類の区分が設けられています。
注意点
ポイントがあることと、永住が許可されることは別です。80点以上の場合でも、申請類型に応じて、申請時点や一定期間前のポイント状況を確認する必要があります。加えて、在留状況・素行・独立生計・納税・社会保険・公的義務の履行など、永住許可申請全体の要件も確認されます。
5. J-Skipとは|通常のポイント制とは別の特別高度人材制度
定義と特徴
J-Skipは、特別高度人材制度の通称です。出入国在留管理庁は、J-Skipを「これまでの高度人材ポイント制とは別途」設けられた制度として説明しています。
通常のポイント制では、学歴・職歴・年収・年齢・研究実績などをポイント化して判断しますが、J-Skipでは一定の学歴または職歴と年収を満たす場合に、ポイント計算とは別の枠組みで高度専門職の在留資格が付与されます。また、永住許可までに要する在留期間が1年となる優遇も設けられています。
項目 | 整理 |
制度名 | 特別高度人材制度 |
通称 | J-Skip |
通常のポイント制との関係 | ポイント制とは別の枠組み |
在留資格との関係 | 高度専門職の在留資格に関係する |
永住との関係 | 一定の場合、永住許可申請までの在留期間が1年となる優遇に関係する |
注意点
J-Skipは「在留資格」と「永住優遇」の両方に関係するため、特に混同されやすい制度です。J-Skipに該当することと、永住許可が必ず認められることは別であり、永住許可申請全体の要件を別途確認する必要があります。また、J-Skipは単なる永住優遇制度ではなく、通常のポイント制とは異なる在留資格の付与の仕組みを含んでいる点も押さえておくことが重要です。
6. まとめ:自分に関係する制度を確認するために
4つの制度を改めて整理すると、次のようになります。
高度専門職1号・2号は在留資格の話
70点・80点による優遇は永住許可申請の在留期間短縮に関する話
J-Skipは通常のポイント制とは別の特別高度人材制度で、在留資格と永住優遇の両方に関係する話
「自分に関係するのはどの制度か」を判断するには、現在の在留資格・活動内容・年収・在留状況・今後の方針を確認することが出発点になります。次の問いで、確認すべき制度を絞り込むことができます。
今、在留資格として高度専門職を検討している場合 → 高度専門職1号、またはJ-Skipの在留資格部分を確認する
高度専門職1号からの次のステップを考えている場合 → 高度専門職2号への移行要件、または永住許可申請の要件を確認する
永住申請を検討している場合 → 70点・80点による在留期間の優遇、またはJ-Skipの永住優遇部分を確認する
高度人材制度は名称が似ているため混同されやすいテーマです。一般情報を確認しても自分のケースに当てはめにくい場合は、ポイント計算・在留状況・今後の申請方針を一度整理してから、個別の確認に進むことをおすすめします。
個別事情の確認について
高度専門職・J-Skip・70点・80点による永住優遇は、制度の概要であれば比較的調べやすいテーマです。
ただし、自分のケースに当てはめる場合は、現在の在留資格・活動内容・年収・学歴・職歴・在留状況・納税や社会保険の状況を、提出できる資料に基づいて確認する必要があります。
特に次のような点は、一般的な制度説明だけでは判断しにくいことがあります。
高度専門職2号と永住申請のどちらを先に検討すべきか
J-Skipに該当する可能性があるか
70点・80点による永住優遇を自分のケースで使えるか
当事務所の有料相談(予約制)では、制度の一般的な説明にとどまらず、提出資料との整合性・在留状況・申請方針上の注意点を確認しています。
ご相談の際は、資料の確認を前提としております。匿名でのご相談、資料確認を伴わない個別判断、無料での申請可否判断には対応しておりません。
参考資料
本記事は、出入国在留管理庁の以下の公式資料を確認したうえで作成しています。
出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
出入国在留管理庁「在留資格『高度専門職』(高度人材ポイント制)」
出入国在留管理庁「高度人材ポイント制Q&A」
出入国在留管理庁「特別高度人材制度(J-Skip)」
出入国在留管理庁「永住許可申請」
出入国在留管理庁「永住許可申請に関するガイドライン
