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経営管理ビザの新基準にすぐ対応できない場合、更新前に確認したいこと

  • 千代田国際行政書士事務所
  • 1 日前
  • 読了時間: 9分
経営管理ビザの新基準にすぐ対応できない場合に更新前に確認する基本項目とタイプ別チェック


「経過措置があるから、しばらくは何もしなくてよい」——そう考えていませんか。

施行日から3年を経過する日、つまり令和10年10月16日までの間に在留期間更新許可申請を行う場合、改正後の基準に適合しないことのみをもって不許可とはしないとされています。ただし、経営状況や改正後の基準に適合する見込み等を踏まえて判断されるため、経過措置は「何もしなくてよい期間」ではありません。


更新前に確認すべきことは、新基準への対応だけではありません。現在の経営活動、税金・社会保険・労働保険、事業所、許認可、長期出国の有無など、更新時に確認され得る基本項目が整理できているかを確認することが、まず重要です。


この記事では、経営管理ビザの新基準にすぐ対応できない場合に、更新前にどのような順番で会社の状況を確認すべきかを整理します。


※本記事は、経営管理ビザの基準改正後に更新を予定している方に向けて、一般的な確認ポイントを整理するものです。個別の更新可否や新基準への対応方法は、会社の状況・在留期間・資本金・雇用状況・事業実態・提出資料等によって異なります。実際の検討にあたっては、個別事情に応じた確認が必要です。



この記事が参考になるケース


次のような状況にある方は、この記事の内容が参考になります。


  • 旧基準で経営管理ビザを取得した

  • 改正前の基準を前提に会社を設立した

  • 新基準にすぐ対応できるか不安がある

  • 資本金や出資額をすぐに増やすことが難しい

  • 常勤職員をすぐに雇用できない

  • 事業は続いているが、売上や利益の数字に不安がある

  • 税金・社会保険・労働保険の状況に不安がある

  • 次回更新までに何を優先して準備すべきか分からない

  • 経過措置があると聞いたが、何をすればよいか分からない



目次



1. まず、自分の会社がどのタイプに近いかを確認する


新基準にすぐ対応できない場合、資本金や常勤職員などの新基準項目だけに意識が向きやすくなります。しかし、更新時には、新基準への対応だけでなく、これまでの事業運営や公租公課の履行状況なども確認されることがあります。


まず、自分の会社がどのタイプに近いかを確認してください。複数のタイプに該当する場合は、それぞれの節を参照してください。

タイプ

状況の目安

タイプ1

資本金・常勤職員・日本語能力など、新基準の項目がまだ未達

タイプ2

事業は続いているが、売上・利益・資金繰りの数字に不安がある

タイプ3

税金・社会保険・労働保険の納付・加入状況に不安がある

タイプ4

事業所の実態、許認可の取得状況、長期出国の有無に不安がある



2. タイプ1:新基準にまだ届いていない


何を確認するか


新基準にすぐ対応できないといっても、不足している内容は会社によって異なります。まず、どの項目が現在未達なのかを整理することが出発点です。


確認項目


  • 資本金の額または出資の総額の現状と新基準との差

  • 常勤職員の雇用可能性・雇用時期・人件費負担

  • 申請人本人または常勤職員の日本語能力要件の充足状況

  • 申請人本人の経営経験または学歴要件の確認

  • 事業計画書の専門家確認の段取り

  • 次回更新までにどの項目をいつ・どのように整えるかの説明


注意点


「足りない項目を形式的に埋めればよい」とは考えないことが重要です。たとえば資本金については、従業員給与・事務所維持費・設備費を合算して一定額に達していればよい、という理解ではありません。法人の場合は、資本金の額または出資の総額をどのように整えるかを確認する必要があります。


常勤職員についても、名義上の雇用では不十分です。事業内容・売上規模・人件費負担・勤務実態・日本語能力要件との整合性を確認したうえで、実態を伴う雇用として説明できる状態にしておくことが重要です。


「現在どこが未達なのか」と「次回更新までにどのように対応するのか」を分けて整理しておくことが大切です。



3. タイプ2:事業は動いているが、売上・利益の数字が弱い


何を確認するか


会社として事業を行っていても、売上が少ない・赤字が続いている・資金繰りが不安定・事業計画と実績が大きく違うといった場合は、更新時に説明が必要になることがあります。


確認項目


  • 直近の決算内容(売上・利益・債務超過の有無)

  • 赤字が続いている場合の理由と改善見込み

  • 役員報酬や資金繰りの状況

  • 事業計画と実際の運営との差とその説明


残しておきたい資料


  • 決算書・試算表

  • 売上入金資料・請求書・契約書

  • 取引先とのやり取り

  • 資金繰り表

  • 事業計画と実績の差を説明するメモ


注意点


赤字や売上不足があるからといって、それだけで直ちに問題になるとは限りません。事業を始めたばかりの会社では、当初の計画どおりに売上が伸びないこともあります。


ただし、なぜ数字が弱いのか・今後どのように改善する見込みがあるのか・現在どのような取引や営業活動を行っているのかを、資料で説明できる状態にしておくことが重要です。


数字が弱いことを隠すのではなく、現状と改善見込みを整理することが大切です。



4. タイプ3:税金・社会保険・労働保険に不安がある


何を確認するか


新基準への対応に気を取られていても、税金・社会保険・労働保険に問題がある場合は、別の更新リスクになります。在留期間更新では、公租公課の履行状況が確認されることがあります。


確認項目


  • 法人税・消費税・地方税の納付状況

  • 代表者個人の税金の納付状況

  • 社会保険の加入・納付状況

  • 労働保険・雇用保険・労災保険の加入・納付状況

  • 未納・未加入・遅延がある場合の是正状況と証拠資料


注意点


未納や未加入がある場合、「後でまとめて対応すればよい」と考えることはリスクがあります。更新時に問題が表面化する前に、現在の状況を確認し、必要に応じて是正し、その記録を残しておくことが大切です。


また、常勤職員の雇用を検討している場合は、雇用契約だけでなく、給与支払・社会保険・労働保険も一体で確認が必要です。新基準に向けて人を雇う場合でも、事業内容や労務手続きとの整合性を確認しておくことが重要です。



5. タイプ4:事業所・許認可・活動実態に不安がある


何を確認するか


「経営・管理」では、事業を営むための事業所が日本に存在することが求められます。単に住所があるかどうかではなく、事業所としての独立性・継続性・使用実態を説明できる状態になっているかが重要です。


確認項目


  • 事業所としての独立性・継続性・使用実態

  • 賃貸借契約書の内容・事業所の写真・看板・郵便物・備品・使用状況

  • 自宅兼事務所の場合の区画・使用実態の説明方法

  • 事業に必要な許認可の取得状況

  • 経営者本人が事業内容・財務状況を把握しているか

  • 正当な理由のない長期出国の有無


注意点


自宅兼事務所の場合は、事業所としての独立性・使用実態をどの資料で説明できるかを慎重に確認してください。


事業に必要な許認可がある場合は取得状況を確認し、未取得の場合は事業内容・事業開始時期・現在の営業実態との関係を整理しておく必要があります。


代表者本人が長期間日本を離れている場合は、経営者として日本で実際に活動しているかが問われることがあります。新基準にすぐ対応できない場合ほど、こうした基本項目を丁寧に確認しておくことが大切です。



6. 更新時期が近い場合に早めに準備したいこと


次回更新まで時間が少ない場合は、すべてを一度に整えようとするのではなく、優先順位を決めて準備することが重要です。更新時期が近づいてから資料を集め始めると、決算書・納税資料・社会保険資料・事業所資料・事業計画書などの整理が間に合わないことがあります。


早めに確認しておきたいこと


  • 次回更新の時期と現在の在留期間

  • 決算書・納税資料の準備状況

  • 社会保険・労働保険の状況

  • 事業所資料の有無

  • 許認可の取得状況

  • 新基準のどの項目が未達で、次回更新までに対応できる項目はどれか

  • 事業計画書の作成・専門家確認の段取り


新基準にすぐ対応できない場合は、「いつ・何を・どの順番で整えるのか」を次のような形で整理しておくと、会社の状況が見えやすくなります。

項目

現状

対応方針

資本金・出資

現在の金額と新基準との差

増資の時期・原資

常勤職員

未雇用

採用時期・人件費の見込み

日本語能力

未確認

誰が満たすか・証明資料の準備

事業実績

売上が少ない

改善見込み・取引資料の整備

税金・社保

一部未確認

未納・未加入の是正・証拠保存



7. まとめ:次に取るべき一歩


経営管理ビザの新基準にすぐ対応できない場合でも、まず確認すべきことは新基準への対応だけではありません。現在の経営活動・税金・社会保険・事業所・許認可・長期出国の有無など、更新審査の基本項目が崩れていないかを先に整理することが重要です。


そのうえで、新基準の未達項目を把握し、次回更新までにどのように対応していくかを確認することが、経過措置期間中にやるべきことです。


次のステップとして確認しておきたいこと


  • 更新審査の基本項目(経営活動・税金・社保・事業所・許認可)に問題がないか

  • 新基準のどの項目が未達で、いつまでに対応できるか

  • 事業の継続性・安定性を資料で説明できるか

  • 次回更新の時期から逆算して、今から準備すべき資料は何か


これらを整理したうえで、次のような点は一般的な説明だけでは判断しにくいことがあります。


  • 経過措置の中で、自分の会社の状況をどのように整理すべきか

  • 新基準への対応と更新審査の基本項目のどちらを先に確認すべきか

  • 事業実績・税金・社保など複数の項目に不安がある場合の優先順位

  • 次回更新に向けて、どの資料を先に整えておくべきか


当事務所では、在留資格申請に関する資料確認および申請手続きのご依頼に対応しています。経営管理ビザの新基準への対応や更新前の確認では、制度の一般的な説明だけでなく、現在の会社状況・提出資料との整合性・新基準への対応可能性・申請手続き上の注意点を確認する必要があります。


資料確認・申請手続きのご依頼をご希望の場合は、以下のページをご確認ください。




参考資料


本記事は、出入国在留管理庁の以下の公式資料を確認したうえで作成しています。


  • 出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」

  • 出入国在留管理庁「『経営・管理』の許可基準の改正等について」

  • 出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」

  • 出入国在留管理庁「令和7年10月16日以降の在留資格『経営・管理』に係るオンライン申請について」

  • 出入国在留管理庁「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」



 
 
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